失敗を恐れず、挑戦し続けられる理由
— NRI社会IT部「しくじり先生」文化ー
これまでの連載では、NRI社会IT部で働く方々の魅力、主体性を発揮しながら成長していくキャリアについてお届けしてきました。
最終話となる今回は、「組織の文化」に焦点を当てNRIのリアルに迫ります。失敗を個人の反省で終わらせるのではなく、全員で共有し組織全体の学びとして資産へと変えていく。
NRI社会IT部にはどのような文化が根付いているのでしょうか。
2003年に新卒でアクセンチュアに入社し公共系システムコンサルに従事。
2009年にNRIへ転職し、2022年に社会ITコンサルティング部長に就任。リーマンショック期の激務を経験しつつも、短期成果に偏らず、中長期視点で人材育成と組織づくりに取り組んでいる。

2017年に大学を卒業後、自治体向けシステムエンジニアとしてキャリアをスタート。
公共領域の現場で経験を積み、2023年にNRIへ入社。現在は自治体や中央省庁など多様なクライアントに対し、ITを活用したコンサルティングに携わっている。

—「正しさ」だけでは伝わらない 提案での気づき―
[FIKA 田中]
NRIに入社されてから、これまでのご経験と比べて働き方や考え方に大きな変化があったことが大変よくわかりました。その中で、「この失敗があったから今の自分がある」と思えるようなエピソードがあれば教えてください。
[NRI 高橋様]
一番印象に残っているのは、初めての提案リーダーとして提案をした内容がお客様に響かず、案件を失注してしまった経験です。
当時の私は、現場業務への理解には自信があったため、実現可能性や現実性を重視したあまり、「地に足のついた提案」を意識して提案活動を行っていました。現実的な提案はすぐに実行に移せるというメリットがあります。しかし、お客様が思い描いていた未来は、もう少しわくわくする・夢のあるものだったため、提案内容とお客様の期待のギャップが出てしまいました。結果的にお客様には「正しいが、夢がなく面白くない」とフィードバックをいただき、ショックを受けました。
[FIKA 田中]
「夢がなく面白くない」はショックですね…。
その失敗をどのように受け止め次に活かしたのでしょうか?
[NRI 高橋様]
なぜうまくいかなかったのかをチームで徹底的に振り返り、議論を重ねました。
お客様にもヒアリングを行い、お客様が本当に求めていたものは何だったのか、どこに期待があり、どこにズレがあったのかを紐解いていきました。その結果、約1年後の提案ではその反省を活かして案件を獲得できました。
コンサルティングの提案では合理性だけでなく、お客様の「こうなりたい」という将来の理想像を示すことが必要です。そこにワクワク感や期待を持っていただくことで、初めて人を動かせるのだと強く実感しました。あの経験は、自分にとって大きな転機だったと思います。
― 失敗を「個人」で終わらせない文化 ―
[NRI 瀧村様]
その話、「しくじり先生」として部内でも共有していましたよね。
[FIKA 田中]
「しくじり先生」ってなんですか?
[NRI 瀧村様]
部内で、うまくいかなかった事例をあえて取り上げて共有する取り組みです。
もちろん誰かを責めるためではなく、「何が要因だったのか」「次にどう活かすか」を全員で考える場として設けています。失敗を個人のものとして留めるのではなく、組織の資産として蓄積することで、次の成功につなげていく、というのが狙いです。
[NRI 高橋様]
自分の失敗をオープンにするのは、最初は気が引けましたが、結果的には、改めて経験を言語化して部内で共有することで、自分自身の頭の整理になりましたし、周囲からのフィードバックも得られて次の提案に活かすことができました。
「しくじり先生」で何より驚いたのが、上司・先輩の失敗も共有してもらえるということです。上司・先輩も意外と失敗経験はあって、それを部員の成長のため包み隠さず共有してくれます。「しくじり先生」を部内の共有財産にして、次の案件の成功につなげているんです。
[NRI 瀧村様]
挑戦した人をきちんと取り上げることで、挑戦しやすい雰囲気が生まれます。失敗を責めるのではなく、学びとして可視化することが、次の挑戦への背中を押すことにつながっていると思っています。
「やってみなさい、動いてみなさい」。
― 失敗も、数年がかりの挑戦も後押しする ―
[NRI 瀧村様]
社会IT部は、ありがたいことに長くお付き合いいただいているお客様が多く、引き合いも多数いただいています。放っておくと、若手はベテランがもつ既存案件の対応に追われて、新しい挑戦は後手に回ってしまう。ただ、それでは組織としての成長がありません。だから若手には「やってみなさい、動いてみなさい」と言い続けて、どんどん挑戦・提案をしてもらうようにしています。失敗してもいい。その経験自体が組織の資産になるという考え方で、挑戦を推奨しています。若手のなかには、教育分野など、社会IT部としては比較的受注が少ない公共性の高いテーマに関心を持っている人もいます。新しいテーマをすぐに案件化するのは簡単ではありません。それでも粘って2〜3年かけて調査・営業をして案件化できた、という例もあります。
コンサルタント一人ひとりが、関心をもつテーマに主体性を持ってしっかり向き合い、考え抜いているから、我々も後押ししています。
案件を自分でつくり、最後までやりきる。その一気通貫の経験が、個人の成長を加速させ、結果的に組織も強くしていくと思っています。

― 挑戦を歓迎し、失敗から学べる環境―
[FIKA 田中]
個人の経験を組織全体の学びへと昇華させていく仕組みや、長期的な視点での成長を大切にされている点、そして各々の「やりたい」を受け入れられる土壌、とても印象的でした。では最後に、瀧村様からNRIへの転職を検討している方にメッセージをいただけますでしょうか。
[NRI 瀧村様]
NRIは「挑戦すること」に対して非常に前向きな組織です。
失敗をネガティブに捉えるのではなく、「そこから何を学ぶか」を大切にしています。
また、社会IT部では中央官庁・自治体・インフラ等の民間企業などの幅広い業界の、様々な案件を扱っています。転職してきてくださるかたのこれまでのご経験をさらに深めることも、新しい分野に挑戦することもできる環境ではないかと思います。最近はAIの台頭でコンサル業界全体が危ぶまれるような声も聞くようになりました。
しかしだからこそ、NRIらしく、泥臭く伴走することで積み重ねてきたお客様との信頼関係・人間関係の価値が一層増すのではないか、と考えています。
ご自身のキャリアをより厚みのあるものにしていきたい方に、ぜひ、この環境に飛び込んできてほしいと思います。
― おわりに―
失敗を個人の反省で終わらせず、組織の共有財産として次の成功につなげる。そしてその文化が、若手の挑戦を後押しし、新たな成功事例を生み出していく。
NRI社会IT部には、そうした「成長の循環」を生み出す土壌があります。
全3話にわたるインタビューを通して感じたのは、NRI社会IT部が「人」「成長」、そして「失敗」を大切にする組織だということ。
主体的に挑戦し、失敗から学び、それを組織全体の力に変えていく――その積み重ねこそが、NRIのコンサルタントがお客様との長い信頼関係を築き続けている理由なのかもしれません。

